腰椎椎体間固定術PLIF(腰椎変性すべり症・分離症・変性側弯症・後弯症等に対する手術)

この手術は、腰部脊柱管狭窄症等によって圧迫された脊髄の除圧および腰椎変性すべり症等による不安定腰椎に対する固定、また変性側弯症・後弯症の矯正等を目的とした手術です。まず腰の後方を縦に切開し、神経を圧迫している骨・靭帯を切除します。スクリューを椎体に刺入、変性した椎間板を廓清しスペーサー(ケージ)を打ち込み、側弯・後弯のある場合は矯正して固定します。脊髄の圧迫が取り除かれ、脊椎の安定性が獲得されます。腰椎後側方固定と組み合わせた手術を実施する事もあります。

腰椎すべり症とは・・・

腰椎すべり症には、変性すべり症と分離すべり症があります。 変性すべり症は椎間関節や椎間板が変性して上下の椎体がずれた状態です。一方、分離すべり症は椎骨の一部(椎弓)が分離(偽関節)しているため、椎体が前方にずれた状態を指します。

症例1 第1腰椎圧迫骨折(陳旧姓)、第2腰椎圧迫骨折
    腰椎変性側弯症、すべり症腰部脊柱管狭窄症、腰椎不安定症 80歳代女性

術前のMRI(T2強調像)と腰椎椎体間固定術(PLIF)他術後のX線写真

症  例
80歳代女性
症  状
転倒後、強い腰痛と両下肢の痛み・しびれ出現。痛みにより自立歩行できず。
診  断
第1腰椎圧迫骨折(陳旧姓)、第2腰椎圧迫骨折、腰椎変性側弯症・すべり症
腰部脊柱管狭窄症、腰椎不安定症
手  術
腰椎部分椎弓切除術、第2腰椎の圧迫骨折部位への人工骨の挿入(椎体形成術)
腰椎椎体間固定術(PLIF)、腰椎後側方固定術(PLF)

手術後の経過
手術直後より、両下肢の痛み・しびれが軽減。手術翌日からベットサイドにてリハビリ開始。徐々に腰痛の軽減もみられ、1ヶ月後には痛みはほぼ消失し自立歩行にて退院となった。

症例2 腰椎変性すべり症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎不安定症 50歳代男性

腰椎後方椎体固定術(2椎間) 手術前後のX線側面画像

症  例
50歳代男性
症  状
腰痛、両下肢のしびれ・痛み
(特に左下肢痛が強く、手術直前には歩行不能となり、車椅子を使用していた)
X線・MRI検査
L3の前方すべり・L4/5間での後方開大が著明で、同部位での脊柱管狭窄も
顕著である。
診  断
腰椎変性すべり症(L3/4, L4/5)、腰部脊柱管狭窄症、腰椎不安定症
手  術
腰椎後方椎体固定術(L3/4, L4/5)、骨移植術、腰椎部分椎弓切除術

手術後の経過
手術翌日には、両下肢のしびれ・痛みは半分以下に軽減し、半介助にて歩行器歩行が可能となった。リハビリ訓練も順調で、徐々に独歩可能となり、術後3週目で退院となった。