腰椎椎間板ヘルニアの手術(ヘルニア摘出術・部分椎弓切除術)

椎間板ヘルニアとは、椎体と椎体の間の椎間板が突出し、神経が圧迫されることで引き起こされる疾患です。椎間板ヘルニアの多くは腰椎椎間板ヘルニアです(頸椎・胸椎にも見られますが、胸椎椎間板ヘルニアは非常にまれです)。ヘルニアが突出し神経を圧迫すると、腰から下肢に及ぶ痛みやしびれが出現します。おしりや太もも、ふくらはぎまで痛くなったり、しびれたりしてきます。悪化すると自力で歩くことが出来なくなったり、排尿障害を伴う事もあります。座っていてもしばらくすると辛くなったり、何かを拾おうと前かがみになると痛みが出現する場合は腰椎椎間板ヘルニアを疑います。頚椎椎間板ヘルニアは、腰椎椎間板ヘルニアが下肢に症状が出現するのに対して、上肢に痛みやしびれが出現します。首から肩、肩甲骨内側、腕にかけて引っ張られるような強い痛みを感じます。悪化すると、下肢まで症状が出現する事があります。確定診断にはMRI検査が必須です。

腰椎椎間板ヘルニアの手術は、圧迫された神経の除圧を目的として行います。除圧術は病態によって以下の2つの手術方法から選択します。

ヘルニア摘出術(Love法)

まず全身麻酔下に背中側を縦に4㎝程切開し、椎骨の後方部分の椎弓を少し削って、神経を圧迫しているヘルニア(髄核)を摘出する方法です。手術時間は30分~1時間程度です。手術後はリハビリ訓練を実施し、約1週間~2週間で退院となります。 通常、神経圧迫がとれると下肢の疼痛は手術直後から劇的に改善するケースがほとんどです。

部分椎弓切除術

腰部脊柱管狭窄に伴って神経が通る脊柱管が狭くなっている方、ヘルニアが大きい方、脊椎の変形・椎間関節の肥厚・黄色靱帯の肥厚などがある場合に適応となります。

まず全身麻酔下に背中側を切開します。椎骨の後方部分の椎弓を一部切除し、骨や靭帯による神経の圧迫を取り除きます。ヘルニアが原因の場合は、ヘルニアも摘出します。

※変性すべり症等を併発している場合は、固定術も合わせた手術を行います。

MRI写真(T2強調像)からみた腰椎椎間板ヘルニア

MRI写真(T2強調像)からみた腰椎椎間板ヘルニア

右側のMRI写真を説明します。左側が前(腹側)、右側が後ろ(背中)です。四角く映っているのが椎体=骨です【①】。椎体(骨)と椎体(骨)にあるのが椎間板です【②】。これが突出して神経を圧迫して起きるのが、腰椎椎間板ヘルニアです。健康な椎間板は【②】のように白く映りますが、痛んで変性すると【③】のように黒く映ります。椎間板に亀裂が入ると、内部の組織が飛び出し神経を圧迫します。このふくらみがヘルニアです【④】。

保存的治療(ブロック療法)

痛みだけで麻痺を伴わない場合は、ブロック療法も選択肢の一つです。局所麻酔剤やステロイド剤をヘルニアにより圧迫されている神経に直接注入したり、その近くの部位に注入する方法です。当院では、仙骨裂孔ブロック・硬膜外ブロック・神経根ブロック等の治療を行っております。

ブロック療法とトリガーポイント注射