頚椎の縦割法による頚椎椎弓形成術(脊柱管拡大形成術)

頚椎の縦割法による頚椎椎弓形成術(脊柱管拡大形成術)

この手術は、頚椎症性脊髄症等によって圧迫された頚髄の除圧を目的とした手術です。首の後方を縦に切開し、椎弓や棘突起を処置します。椎弓に切り込みを入れて脊柱管を広げ、間に人工骨や患者様自身の骨を挿入し固定します。脊柱管のスペースが広がり、頚髄の圧迫が取り除かれます。

※手術には椎弓を開く方法として、椎弓の正中で開く方法(縦割法:両開き式)と、椎弓の片側に切り込みを入れてドアのように開く方法(片開き式)があります。当院では、縦割法(両開き式)を実施しております。

症例1 頚部脊柱管狭窄症 60歳代女性

椎弓形成術 手術前後の改善推移:MRI(T2強調像)

椎弓形成術 手術前後の改善推移:MRI(T2強調像)

症  例
60歳代女性
症  状
右肩~右肩甲骨内側の痛み、右手のしびれ
MRI検査
脊髄腔の顕著な狭窄が見られる
診  断
頚部脊柱管狭窄症
手  術
頚椎椎弓形成術、骨移植術(非生体)

手術後の経過
脊髄腔のスペースが拡大し、手術直後より痛みの解消及びしびれの軽減が見られた。1ヶ月後には右手のしびれも消失し、退院となった。

症例2 右頚椎症性神経根症 40歳代女性

椎弓形成術 手術後のCT画像

椎弓形成術 手術前後の改善推移:MRI(T2強調像)

  • 画像1:手術後、脊柱管のスペースが拡大し、頸髄の圧迫が取り除かれた。
  • 画像2:椎弓の拡大形成により、頸髄の圧迫が取り除かれた。5椎弓の拡大形成術を行った。(一番下は自家骨を移植。他4椎弓は非生体骨を移植した)
症  例
40歳代女性
症  状
3年前から右手先のしびれが出現し、首から肩にかけての痛みにより、最近仕事や家事に支障をきたす様になっていた。
MRI検査
椎間板の膨隆を認め、頸髄圧迫を認める
診  断
頚部脊柱管狭窄症
手  術
頚椎椎弓形成術、骨移植術

手術後の経過
手術により頸髄の圧迫が解除され、手術翌日には右手しびれ消失、リハビリを開始。手術後の後頚部痛も自制内であり、2週間後には経過良好にて退院となった。その後、仕事にも復帰し、日常生活も快適に過ごせる様になった。
脊柱管狭窄症とは・・・

脊柱管狭窄症とは、脊柱管が狭くなり神経が圧迫されることによって引き起される病気です。主に腰部に発症することが多いですが、頚部にも起こります。頚部脊柱管狭窄症の原因としては、頚椎骨軟骨症(頚椎症)や頚椎後縦靭帯骨化症(OPLL)などがあります。頚部脊柱管狭窄症は、慢性的な病気で急に進行することはありませんが、徐々に進行し頚椎症性骨髄症に進展したり、外傷が加わると非骨傷性頚髄損傷になる事があります。非骨傷性頚髄損傷とは、頚椎を過度に後ろに反らせることが原因で発症する外傷で、頚部脊柱管狭窄症の人は特に注意が必要です。