最小侵襲(MIS)による人工膝関節置換術

人工膝関節置換術とは、変形性膝関節症や関節リウマチによって変形した膝関節の表面を取り除き、人工の膝関節に置き換える手術です。手術の対象となるのは、外出や歩行が困難になるなど、日常生活におけるQOL(生活の質)が低下している方、膝関節の軟骨の磨耗や骨の変形が強く、保存療法(内服薬・膝関節内注射・リハビリ)をしても強い痛みや歩行障害が残る方が対象となります。

手術後は、患者様のQOLの改善が望めることが大きなメリットです。

  • 痛みが大幅に和らぎ、スムーズに歩行することが出来るようになる
  • 歩けなかった方が歩けるようになったり、外出困難だった方が旅行出来るようになる
最小侵襲(MIS)による人工膝関節置換術
当院の人工膝関節置換術は、この最小侵襲と呼ばれる手術方法です。

最小侵襲(MIS)とは、治療部位の切開(侵襲)の程度をなるべく小さくし、患者様にかかる負担を少しでも軽くしようという手術手法です。筋肉を大きく切らずに温存する方法ですので、筋力低下、手術後の痛みの軽減につながります。また、切開部位も小さいため傷跡も小さくなります。

※一般的な手術では20~25㎝の切開が必要とされていますが、MISによる手術方法の場合、当院では10㎝程の皮切で実施しております。

早期リハビリテーションが可能です。

最小侵襲手術の場合は、早期退院・早期社会復帰へとつながるメリットの高い手術方法です。

(注)患者様の症状、状態等によっては最小侵襲手術ができない場合もあります。

手術例 関節リウマチに対する人工膝関節置換術

手術例 変形性膝関節症に対する人工膝関節置換術

症   例
60歳代男性
症   状
関節リウマチにて両膝の激しい痛みにより歩行困難となり、受診
X線 検査
両膝ともに関節のすき間が消失している
診   断
関節リウマチ、両変形性膝関節症
手   術
両膝同時にMISによる人工膝関節全置換術施行

手術後の経過
両膝痛の軽減、手術翌日よりリハビリを開始し、5日目より歩行可能となり、3週間後、自立歩行にて退院。
変形性膝関節症とは・・・

年齢や肥満等により、膝関節の軟骨がすり減り、半月板も断裂を起こし、炎症で痛みを伴う病気です。膝の軟骨も年齢とともに薄くなり、軟骨の下の骨も擦り減ってきます。関節の表面がデコボコな状態となり、滑らかな動きができずに生じた炎症から痛みを自覚するのが特徴です。また、事故・スポーツ等による外傷が原因となり変形性膝関節症を引き起こす場合もあります。

関節リウマチとは・・・

関節が炎症を起こし、関節が徐々に破壊され機能障害を起こす病気です。上記の「変形性関節症」は、動かした時に痛みを生じることが多いですが、関節リウマチの場合、腫れを伴って安静時でも痛みを伴うのが大きな特徴です。手足の関節で起こりやすく、左右同時に痛みを生じたり、関節以外の症状(発熱、疲れやすい、食欲不振等)が生じることも特徴です。

指・手・肘・股・膝・足関節や脊椎の関節など、全身の関節が炎症を起こす病気で、進行すると関節の軟骨やその下の骨が破壊され、関節の脱臼や変形につながります。膝関節では関節リウマチが進行すると膝が伸びなくなったり、変形と痛みのために歩けなくなることもあります。